極楽にいるペットたちの安寧を祈り、
現世のご家族を清らかな光で優しく照らしてくれるよう願いを込めて
ペット供養墓『浄光塔』を建立しました。
令和四年初頭、檀信徒様の要請などもあり、
寒山寺においても境内の一角にペット供養の永代納骨墓を設けさせていただきました。
供養墓の名前は「浄光塔」です。
極楽にいるペットたちが現世のご家族を清らかな光で優しく照らすとの意味を込めています。
モニュメント上部の○、円は清浄な光を発する月に見立てた円相という禅的なシンボルです。
皆様よりお預かりしたペットたちの菩提を、丁重に長く弔うことが出来ればと考えております。
動物供養について
現代社会において、犬や猫に代表される様々な動物は、
人間が単に飼育するペットという存在ではなくなり、家族の大切な一員となっています。
日本においては、動物供養の歴史は非常に古く、縄文時代の遺跡より、
埋葬された形で犬の骨が出土したことが、
供養の起源と考えられています。
また、ペットとは違いますが、
ラットのように、病院において医学の進歩のため動物実験に身を捧げるといった、
人間の都合によりその命を断たれた動物たちの菩提を弔うために、
多くの大学病院において、供養祭や法要を営まれていることもよく知られています。
このような動物の為の慰霊行為は海外では見ることができず、
人間とその他動物の生命を等価値としてみる宗教観、仏教的に申しますと、
「全ての生きとし生けるものは仏様である」との思想が、
日本人に深く根付いているといえるでしょう。
昨今、ペットに関係するサービスが多様化する中、
供養に関してもその必要性がクローズアップされることも多いと聞きます。
しかしながら、我々日本人にとって、
動物を供養するということは、古くから行われてきたことです。
古来より動物たちの生命の尊厳性を重んじる姿勢は変わらないからこそ、
現在においても動物供養の必要性が求められると言えるのではないでしょうか。
歴史上、禅宗の僧侶は
どのように動物と接していたか
私たち日本の臨済宗の禅僧たちはいかに動物と接したのでしょうか。
その疑問を解くべく残された資料を読んでいきますと、
彼らが犬や猫を始めとして、お寺に出入りする様々な動物たちを身近に接し、
可愛がっていた様子が窺えます。
そしてその死に際しては、人間の葬儀に模した儀式を行うことによって、
その永遠の別れを悲しむと同時に、精一杯、追悼の意を現したのでした。
過去の禅僧たちと同じように、ペットや飼い主様の想いに添った供養を行うことこそ、
我々の使命と気持ちを新たにしています。
開眼法要
令和四年一月十四日に浄光塔の開眼法要を厳修いたしました。
当日は写真の通り、雪の降りしきる厳しい天候ではありましたが、
設計と建設に携わっていただきました石材店様などのご参加を頂き、
荘厳な雰囲気の中、動物たち諸霊の安寧を祈り、無事に円成することができました。